■為政者と、彼らに仕える人々

①その一声が世界を動かす『新聞女王』
マユ・ルナゲイト
エンディニオンのマスメディアを掌握する一族、ルナゲイトの現当主。
一代でルナゲイト家を興した祖父・新聞王ジョゼフの覇業を受け継ぎ、世界の覇者として君臨する。
若くして新聞女王の名を恣にする程の実力者で、その才能・手腕は全盛期のジョゼフに匹敵するとまでささやかれている。
悪魔的な扮装を好み、公的な場所でも奇抜な姿で現れるのだが、
これは当人の趣味だけではなく、見てくれに惑わされない器量の持ち主を見極める為の、計算づくの行動である。
わずかな隙もない才女だが、それ故に野心が強く、台頭するテムグ・テングリ群狼領を警戒しつつ、
ルナゲイト家の権力保持および勢力拡大へ邁進する。
恋人であるセフィや、文通で知り合って親友となったフィーナ相手には和やかに談笑するものの、
普段は肉親のジョゼフにすら本心を見せない。


②荒くれの傭兵を束ねる『提督』
アルカーク・マスターソン
世界最大にして最強の傭兵部隊を組織する都市『ヴィクド』の頭目で、
傭兵たちからは提督と崇められている。
荒くれ者たちを統括するだけあって気性は猛々しく、行動原理が極めて攻撃的。
外敵と見なした者は徹底的に殲滅するべきだと言う危険思想の持ち主でもある為、
その動向がエンディニオンの勢力図を左右するとまで恐れられている。
ヴィクドの抱える傭兵部隊は、テムグ・テングリ群狼領と唯一互角の勢力と目されており、
これを発言力の裏付けとするアルカークの強引なやり方に萎縮し、
言いなりになってしまう首脳陣も少なからず散見される。
ともすれば熱しやすい単細胞のようにも見えるが、
自身の剛毅な発言がどのような影響を及ぼすかまで計算するなど腹の底では権謀術数を張り巡らせており、
その謀略を以てアルフレッドの前に立ちはだかる。
右手を大型クリッターとの戦闘で失っており、代わりにかぎ爪状の義手を着用しているのだが、
有毒物質を作り出すトラウム『キルシュヴァッサー』をこのかぎ爪に塗布して突き立てると言う戦法は、
ヴィクドの傭兵からも禁じ手と見なされるほど凶悪な威力を秘める。


③この王の前では全ての事象が享楽と化す。
ファラ・ハプト・ラー・オホル・メセス
環境破壊が最も深刻化している砂漠地帯『グドゥー』一帯を領有し、自ら『ファラ王』を僭称する男。
もともとはジプシアンフードと言う食品会社の社長であり、
新聞女王や提督と言った権力者に列するような立場にはいなかったのだが、
ひょんなことから群雄割拠してリーダーが定まらなかったグドゥーを征圧し、大勢力の太守の座に就いた。
ルナゲイト家に肩を並べるほどの財力を持ち、また傘下に置いたグドゥーの蛮勇たちは
ヴィクドの傭兵に勝るとも劣らない戦闘力を備えているものの、ファラ王当人は現在の地位に満足しきっており、
野心を昂ぶらせるよりも権力と財力の上に胡座をかいて享楽に耽ることを好んでいる。
だが、彼の気まぐれや享楽は、その莫大な財力・豊富な戦力とあいまって
エンディニオン中をトラブルの渦に巻き込むこともあり、ある意味ではマユやアルカーク以上に恐れられる存在である。






①大いなる母性によってチームの支柱となる。
タスク・ロッテンマイヤー
長年マリスに仕える従者。マリスにとっては母親代わりのような存在でもあり、
両者の間には主従の関係を超えた信頼関係が結ばれている。
包容力に富んだ好人物で、その細やかな気配りは、マリスのみならずチーム全体を幾度となく救うことになる。
ただし、マリスに害をなす人間を決して許さず、一丁事あらば大型手裏剣のトラウムを発動させて勇敢に戦う。


②表の顔は人気タレント。実はジョゼフの懐刀
ラトク・崇
体を張ったバラエティー番組のMCからニュースの司会、さらには声優・俳優業まで器用にこなす天才肌で、
エンディニオンお茶の間のスターとも言うべき売れっ子タレント。
しかしてその正体は、ジョゼフの懐刀とまで言わしめた一流のエージェントで、
テレビやラジオに出演する傍ら、ルナゲイトの内偵や粛清など汚れ仕事を遂行する。
普段はルナゲイト家の信頼厚いエージェントに徹しているが、
ジョゼフがいないところでは過激な陰口を叩くなど非常に裏表が激しく、内面には屈折したものを抱えている。


③権力と金の味方である悪徳冒険者
ローズウェル・エリックスン
テムグ・テングリ群狼領の内紛へアルフレッドたちが巻き込まれる直接的な原因を作った悪徳冒険者。
契約主である武器商人、K・kの悪巧みの片棒を担ぎ、およそ冒険者とは呼べないような仕事に手を染めていく。
奇抜なファッションセンスと不気味な喋り方からオカマに勘違いされがちだが、
彼をそう呼んだ人間は生まれてきたことを後悔するような報復にさらされる。
状況に応じて長いものに巻かれる悪質な人間ではあるものの、
そうでもしなければ生き長らえることのできない自分の力量不足に鬱屈も抱えている。


④トラウムと思えぬ感受性を備えた苦労人(?)
アポピス
本来ならばキャラクターとは別の項目で紹介すべきなのだが、彼はファラ王のトラウムである。
オートマタ(機械人形)型のトラウムだが、思考回路や感受性はまるで心が宿ったように精密で、
ファラ王が粗相をした場合の尻ぬぐいを一手に担い、あまつさえ安酒を浴びて気晴らしをするなど
享楽に耽るファラ王よりも遙かに人間臭く、心労の絶えない日々を送っている。
実際はキングコブラを模した巨体だが、閉所の移動に適したサイズ(外見はニシキヘビ)にシフトすることも可能。