第21回「教皇庁の犬」からは異世界(Aのエンディニオン)で暮らす人々が
数多く新登場します。その中心となるのは、第21回を牽引する覇天組と関連人物たち。
中でも局長のナタクと深く結び付く三人の人物を紹介いたします!
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戦いの申し子よりもコワい(?)存在
公用方…… シャラ |
局長の職務を補佐する秘書官(女性隊士)。
(※覇天組では「公用方(こうようがた)」と言う役名である)
ナタクが隊士たちを率いて遠征する際には
局長代理として陽之元国の屯所、
「誠衛台(せいえいだい)」を預かる。
明朗快活で気分屋な面もあるが、
とかく無理を重ねがちな局長の手綱を
引ける人物として一目置かれており、
持ち前の器用さで隊の運営を助けている。
屯所の管理人も兼任し、多くの隊士が彼女には頭が上がらない。
他ならぬ局長もそのひとりであり、
ちょっとした言動から心労や体調不良を見抜かれてしまう。
覇天組創設メンバーの一員でもあり、
ナタクと合流する前は監察方の長であるアプサラスと
コンビを組んで世間の悪党を懲らしめて回っていた。
輪状の投擲武器、「戦輪(チャクラム)」を得意としているが、
その他にも陽之元の人間にのみ宿る不思議な力、
「プラーナ」を応用した魔術(に相当する秘技)を操る。
局長の傍らで様々な職務をこなしている為か、
陽之元国の政府中枢にも名前が広く知れ渡っている。
好きなものは、酒。
好きなことは、テレビゲーム。 |
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陽之元近代軍の父
陽之元国正規軍教頭…… バーヴァナ |
覇天組局長のナタクとは長い付き合いであり、
年齢の離れた親友と言う間柄(ナタクより一回り年長)。
ナタクが宗家を受け継いだ武術、「聖王流」から
分派した「蘇牙流(そがりゅう)」の継承者。
宗家と分派と言う関係ではあるものの、
両流派の間に対立などはなく(※既に解決されている)、
現世代では良き好敵手となっている。
ナタクのことも幼少の頃から知っており、
その不器用な生き方を何かと気に掛けていた。
「北東落日の大乱」が勃発する以前から憂国の思いが強かったが、
当初はナタクと異なる派閥に属し、
意見の相違から一度は刃を交えたが、後に合流。
諸外国との貿易による装備の近代化(MANAの導入など)を
計画し、これを実行する。
バーヴァナの開明的な発想が反乱軍の戦力を大幅に増強させ、
旧権力を撃滅する原動力となった。
新政権に於いては正規軍で教頭(指南役)を務めている。
代々、名門の子息に武芸百般を教授してきた一族の跡取りであり、
その職務を新時代にも引き継いだ恰好である。
言わば名門の跡取りなのだが、幼い頃に父を亡くしており、
若くして一族郎党を預かったことから非常に老成している。
その一方、静かなる激情家でもあり、
一門や友人を傷つけた者は決して許さない。
ナタクと同じく武器術と体術を組み合わせた小具足術に秀で、
「小太刀を取らせれば陽之元一」とまで謳われる。
正規軍では銃砲やMANAを用いた戦術を熱心に研究。
覇天組に最新戦術を教授することも多い。
好きなものは、サッカー(自分でプレイするのも、観戦も)。
好きなことは、歴史探訪。 |
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ジェームズ・ミトセの系譜を継ぐ男
拳法斎…… カナン・ミトセ
(Cannan Noriyuki Mitose) |
ルーインドサピエンス(旧人類)よりも古い歴史を持つ武術家、
ジェームズ・ミトセの系譜を現代に受け継ぐ者。
「ミトセ」の家名を持つことから直系の人間であると思われる。
陽之元国が「北東落日の大乱」の激動期であった頃、
海を渡ってナタクを訪ね、戦いを挑んだことがある。
「戦う意味」を追い求めて世界を旅する哲学的な人物と言う以外、
その素性は殆ど謎に包まれており、ナタクと激闘を演じた後、
すぐに陽之元からも去ってしまっている。
ナタクと戦った当時は三〇歳前後だったが、
頭髪の大部分は色が白く抜け落ちていた。
左手首には親しい人から贈られたと思しきミサンガを着けている。
また、右手の甲にミトセの流派「古松奨励流」を象徴する
紋章を刺青しており、代々の継承者の間で引き継がれる
「拳法斎(けんぽうさい)」の称号も名乗っている。
その称号が示す通り、拳法系の流派として伝えられているのだが、
柔術の技も恐ろしく巧みであり、
地上最強と畏怖されるナタクの攻撃すら容易く躱していく。
打撃、投げ、組技、寝技、返し技と一切の死角がなく、
その上、身体機能を高める秘術まで使いこなし、
ナタク、そして、聖王流を圧倒する。
陽之元を訪れる前に「ライアン」と言う名の老人と
戦ったそうだが、真相は不明。
現在は何処かの刑務所に収監されているらしいが……?
好きなものも、好きなことも、何も分からない。
■カナン・ミトセ関連項目
⇒サイドストーリー本格スタート~新たなみどころガイド
※この物語はフィクションであり、
実在の人物・団体・出来事などとは一切関係ありません。 |
天河真嗣のワンポイント~さあ、新たなる戦いの幕開けだ!
バーヴァナ、カナン・ミトセと言った重要キャラクターたちを
ようやくトロイメライ本編に送り出すことが出来ました。
前者は幕末の会津藩士、山本覚馬や、京都見廻組の佐々木只三郎を一部モデルにし、
後者は実在するアメリカ拳法の祖、ジェームズ・ミトセとその流派を
フィーチャーしています(言うまでもなく設定はトロイメライ独自のフィクション)。
彼らが表舞台に上がる第21回は、アルフレッドたち本編の主人公は殆ど登場せず、
新参者の覇天組がストーリーを引っ張ります。
半ば「外伝」と言った構成。そのようなことに時間を費やすよりも
メインストリームを前進させるべきではないかと言う葛藤もありましたが、
土台をしっかりと築かない内に柱を立てることを危ぶむ気持ちのほうが強く、
これから先の新展開を盛り上げる為に、敢えて特殊なパターンを採りました。
公用方を迎えた覇天組は、組織としての厚みを一層増していきます。
まさに「ごった煮」と言った趣のアルフレッドたちや、
内憂外患のギルガメシュと比較したとき、
一個の集団としてまとまっている様子が伝わるよう気を配ったつもりです。
局長=リーダーを中心とした鉄の結束ですね。
「トロイメライは一種のリーダー論」とは以前にもお話しいたしましたが、
覇天組もその設定を担って登場した集団です。
「この新勢力が、アルフレッドたちとどう関わるのだろう?」と
期待を持っていただけたなら、これ以上の幸せはありません。
そして、カナン・ミトセ。情報を整理する為に「サイドストーリーの重要人物」と
紹介していますが、だからと言ってメインストリームの中で蔑ろにすることはなく、
今後、大きな存在感を発揮していくことでしょう。
カナンのご先祖様にあたるジェームズ・ミトセは、先の項でも触れた通り、
実在する人物で、アメリカの武術界に多大な影響を与えた偉大な先人。
アメリカ拳法の祖とも言うべき人物です。
僕としてもジェームズ・ミトセへのリスペクトのつもりで力を注ぎました。
資料ビデオもコマ送りでチェックしましたしね(笑)。
カナン・ミトセは第21回第3週から登場します。
ナタクと激闘を演じるシーンは、トロイメライ開始以来、
最も高度な殺陣を作れたのではないかと言う自負があります。
ある意味では「最強の格闘家」と言う問いかけへの仮説?
格闘作品に登場する最強のライバルへのオマージュと言うべきかも知れません。
ジェームズからカナンに至るミトセの一族に関しては、
実はかなり細かく設定を作り込んでいます。
ジェームズ・ミトセは若い頃に熊本で修行をしていたそうなので、
同地の古流剣術である肥後雲弘流とも交わったのではなかろうか――と、
想像を膨らませていきました。その全てをトロイメライで書けるとは思いませんけど。
勿論、全てはフィクション。僕の頭の中で捏ね繰り回した空想に過ぎませんが……。
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