ジェームズ・ミトセの系譜を継ぐ男、ついに本編登場!






初登場以来、本編や人物紹介の項目で「世界最強の男」「作中最強」と
アナウンスされてきた覇天組局長、ナタク。
果たして、その実力は本物なのか。飾り付けられたメッキなどではなく、
荒くれ者揃いの武装警察を率いるに相応しい実力の持ち主なのか?
その証明となるのが、第22回第3週から連続掲載がスタートする白熱の格闘戦です。
本編第22回から遡ること数年前、「カナン・ミトセ」と名乗る男がナタクを尋ねて来ます。
その男こそがサイドストーリーのキーパーソンと目されてきた、
ジェームズ・ミトセの系譜を継ぐ者。
これまでにも紹介ページなどで取り上げてきましたが、
「ジェームズ・ミトセ」とは実在した伝説的武術家であり、
〝アメリカン拳法の礎〟とも言うべき存在です。
トロイメライに登場する「カナン」は、
前述したジェームズ・ミトセの子孫と言う設定となっております。
つまり、ナタクは架空のキャラクターでありながら、
実在する拳法(※トロイメライ風のアレンジは加えていますが)の継承者と
ガチンコで対峙することになるのです。





戦いの中で命をやり取りする意味を問い掛けたい。
そのためにナタクを探していたとカナン・ミトセは語ります。
戦うことの意味に答えを求めるならば、拳で語らうのみ――
ここに最強の頂上血戦が勃発します!

ナタクが会得した武術は『小具足術』と呼ばれるもので、
本来は体術と武器術を組み合わせたもの。
ミトセが拳法系の使い手と言うこともあり、今回は徒手空拳同士の激突となりますが、
それで実力半減かと思いきや、ありとあらゆる状況へ対応し得るナタクに
死角と言うものはありません。言わば、全ての戦いが彼の得意!
一瞬の油断が生死を分ける極限の状況下……合戦で勝ち抜くことを想定した、
「戦場武術」の真の姿です。
鎧兜を身につけた相手を倒す為の奥義や、肉体の限界を易々と超える術を備え、
一対多数でも立ち回っていける「戦場武術」と、その宗家を襲名したナタク。
相手に組み付いてから攻防を展開させる秘伝、『組討(くみうち)』をも駆使し、
ジェームズ・ミトセの系譜を迎え撃ちます。

一方のミトセは祖先譲りの拳法を称していますが、
その体系には打撃だけでなく投げ技、関節技も完璧な形で組み込まれており、
接近戦に長けたナタクをも翻弄していきます。
互いの技を交差させるようにして放つ返し技の前には、
「世界最強の男」であるハズのナタクも大苦戦!
ときには一方的に攻め立てられると言う状況も!?
打撃、投げ、組技・寝技と、全ての技を巧みに使いこなすオールラウンダーである上に、
身体能力をブーストアップさせる秘術まで身につけたミトセは、
ナタクにとって名実ともに「最強の敵」であるのです。

そして、「命の削り合い」とも言うべき死闘の中で
ナタクは小具足術とも違う〝禁じられた力〟を解放!
「世界最強」と畏怖される戦闘能力が少しずつ明らかとなっていきます。
相対するミトセも負けてはいません。彼もまた〝禁じられた技〟を繰り出し、
ナタクを破壊し尽くそうとします。
血飛沫が舞い、肉が爆ぜ、骨が軋む極限の死闘の果てに、
ふたりの男は「命のやり取り」の意味を見出すことが出来るのか!?



~世界最強の証明とは~


作中最強の男として登場しているナタクですが、
ややプロモーションだけが先行してしまった感があり、
「本当に強いのか?」と他人事のように胡散臭く思えてきたんですよ(笑)。
でも、誰とも戦わせないことで実力をベールに隠し通すとか、
そう言った方法でウヤムヤにすることは、僕自身は絶対にやりたくなくて。
どこがどう強いと、クドクド説明することほど野暮な話もないので、
ここはひとつ、読者の皆さんにナタクの強さを実際にご覧頂こう、と。
ナタクとミトセ、どちらも「最強」の名に相応しい武術家と言う組み合わせは、
因縁も含めてエピソードを考えておりましたので、回想と言う形式ではあるものの、
今回のような対戦カードを組んだ次第です。
「世界最強」を証明するには、単なるやられ役では話にならない。
それに相応しい相手……「世界最強」の称号を争えるようでなくてはなりません。

実際に執筆をしてみると、頂上血戦と銘打っているのだから当たり前ですが、
心に火柱が立ちましたね。
「どのような相手・技・体勢・状況でも完璧に対応する」と言うことを
僕は『最強の理論』として推しているのですけれど、
ナタクとミトセの戦いはその仮説が形となって現れたようなものでした。
僕自身、徒手空拳のバトルに関しては、ここで引き出しを使い切ってしまおうと、
それくらいの覚悟で臨みました。
勿論、全てが描き切れたとは言えませんが、その一端に触れることは出来たかな、と。

ナタクとミトセの戦いでもうひとつ重要なポイントは、
技の駆け引きを超えて勝敗を決する要素……魂などと呼べる領域ですね。
魂でもって血肉を沸騰させ、死の危険にさえ踏み込んでいくことは、
戦いの場に立つ人間にとっては「呼吸」と同じくらい当たり前のもので。
この魂の在り様がナタクとミトセは正反対と言っても良いのですが、
どちらも「戦うと言うことの極限」を突き詰めた果てであると捉えています。
ジェームズ・ミトセの系譜を継ぐ男と、世界最強の男・ナタクは、
まさに「心・技・体」を頂上血戦にて爆発させるのです。


制作総指揮/第22回執筆担当 天河真嗣




拳法斎(けんぽうさい)

  
         カナン・ミトセ
覇天組局長

  
           ナタク






格闘スタイル:ジェームズ・ミトセの系譜 格闘スタイル:小具足術(聖王流)




~天河のワン・ポイント~


ナタクとカナン・ミトセが血戦を繰り広げる舞台は、
実在した武術家(※トロイメライではカナンの祖先と言う設定です)、
ジェームズ・ミトセが修行したと伝えられる熊本県の名刹をイメージして
美術設計を行いました。
ふたりの戦いは数週に亘ってお送りしますが、途中で舞台転換や屋台崩しも挟みます。
屋外と屋内、ふたつの地形が戦いへどのような影響を与えるか、こちらもお楽しみに!


※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・出来事などとは一切関係ありません。