第1部完結に寄せて

製作総指揮 天河真嗣


<トロイメライ〜その声を忘れないから>をご愛顧いただき、
スタッフ一同、心より感謝申し上げます。
今週の更新(第10回その12)を持ちまして、
<トロイメライ>はいよいよ第1部「漂着編」の完結を迎えます。
第1部は各キャラクターや世界設定の紹介が中心となり、
連続性を持ちつつも一話完結のスタイルでお送りしました。
どうすれば僕らが描こうとするストーリー、テーマ、世界観を
読者の皆様へ万全な形でお届けすることができるのか。
第1部のストーリーづくりはそのことを念頭に置いて行われたのです。

全てはオリジナル作品が持つ可能性を引き出すため、
オリジナル作品・トロイメライのスケールを描ききるために。
このことは昨年末に用意した2012年特報専用ページでもお伝えしましたが、
紹介編を超えた先にあるメインストリームへの布石として、
キャラクター、ストーリー、世界設定を入念に描いてきました。
一年半に亘る助走に弾みをつけ、
我々はいよいよ<トロイメライ>にて描く最大のテーマへ飛び込んでいきます。

新たな登場キャラクターを迎えて繰り広げられる第2部は、
初回(第11回「異世界襲来」)から怒濤の展開が続きます。
長い長い激闘の幕開けです。
そして、激闘に次ぐ激闘と言う極限的な状況は、生々しい人間ドラマを浮き彫りにしていきます。
この痛ましいくらいの群像劇を描きたいが為に
僕らは一年半もの長い道のりを歩んできたと言っても過言ではありません。
全ての登場キャラクターが、<トロイメライ>を物語る世界観が一つに集束し、
とてつもなく大きなうねりとなります。
幾つもの小川が合流して大河となる瞬間がいよいよやって参りました。

どちらかと言えば爽やかな青春冒険活劇のテイストが強かった第1部とは雰囲気が一変します。
第2部は、言わば試練の章。
辛く苦しい試練を乗り越え、アルフレッドが真の意味で『軍師』となるまでストーリーです。
試練が訪れるのはアルフレッドだけではありません。
全てのキャラクターが人生を左右するような試練に直面し、
ボロボロになりながらも信念に基づいて戦い続けます。
大いなる試練によって昇華されるもの、
そこに生まれる極限のドラマを心ゆくまでお楽しみください。

第2部は8月からのスタートを予定しております。
7月いっぱい本編をお休みさせていただきますが、
その代わりに夏休みスペシャルと題して番外編をお送りいたします。
こちらはアルフレッドの親友、クラップにスポットを当てた読み切り作品。
原稿を読んだWebディレクター・ムツ曰く、「今までのトロイメライとは毛色が違う作品」とのこと。
<トロイメライ>初の本格的なスピンオフと言うことで青息吐息でしたが、
その役割とするところを果たせそうです。

それでは、2012年8月スタートの第2部にてお会いしましょう。
(※第2部初回 第11回「異世界襲来」は8月4日スタート予定です)