第15回
「両帝開戦(後編)復讐と決着のはざまで」
みどころガイド


執筆・プロット:天河真嗣


SF大河小説シリーズ<トロイメライ>は
第15回掲載分をもってシーズン1最大のハイライトを迎えます。
ふたつの世界の運命が交わるのは広大な砂漠地帯!
攻めるか、機会を待つか。長対陣で睨み合いが続く熱砂へと
アルフレッド一行もゼラール軍団とともに乗り込みます。
シリーズ開始以来、空前のスケールで描かれる大合戦!
両帝会戦編、大完結!!


大激突、Aのエンディニオン×Bのエンディニオン!!


アルフレッドたち佐志軍が大海戦を演じている頃、
エルンスト率いるBのエンディニオンの連合軍とギルガメシュ軍は
砂漠の大地で数週間にも及ぶ長対陣を続けていました。
大海戦の報せは、両軍の均衡を切り崩すようなショックを砂漠地帯へもたらします。
制海権を奪われたギルガメシュ軍としては、もはや後には退けないと言う情勢。
攻撃こそ最大の防御とばかりに反ギルガメシュ連合軍へと突撃!
先鋒同士のぶつかり合いによって大合戦は堂々と幕を開きます。

砂漠と言う環境下での大合戦と言うこともあり、過酷な地形が戦局へダイレクトに影響。
両軍は熱砂の悪条件に苦しめられていきます。
主将を務めるエルンストの指揮のもと、反ギルガメシュ連合軍は状況に応じて迅速に陣形を切り替えますが、
ギルガメシュ軍も負けてはいません。
地形、兵力両面の劣勢を物ともしない勇戦には、連合軍といえども苦戦は免れません。

古式ながら効果の大きい陣形戦術で応戦する連合軍に対してギルガメシュ軍は、
オーバーテクノロジーの粋を集めた最新兵器を駆使して迎撃!
数え切れないほどの勢力が入り乱れる合戦は、まさしく「異文化同士の激突」となります。
ここで言う異文化とはふたつの世界の直接対決だけではなく、
エルンスト率いる連合軍の内部でも各部隊の個性が炸裂します。
数に物を言わせて押し切ろうとするパワー型の部隊があるかと思えば、
カリスマ的リーダーによる特攻で力を発揮する狂信者など
多士済々の面子が出揃ったことで、相対的に各人の個性が際立つと言うスペシャルな演出!
「両帝会戦」完結編の最大のみどころは、合戦に重ねて描かれる「異文化同士の激突」なのです。


アルフレッドVSニコラス、宿命の対決!!

第12回のラストで起こった事件が原因となり完全決裂したアルフレッドとニコラスが、
戦場でついに再会を果たします。
ふたりの再会は、対決すべき宿命のはじまり――かつての親友同士が渾身の力をぶつけ合います。
第15回の山場では、アルフレッドとニコラスが壮絶な一騎打ちを展開!
執筆を担当した天河は、ライバル対決を描写するにあたり、持ちうる限りの力を注いだと語っていました。
砂漠と言う地形や、ニコラスの跨るバイクのスペックを考慮した殺陣は数ページにも及び、
過去最大規模の激闘へと発展していくのです。

また、宿命の対決のもうひとつのみどころは、親友ふたりの心の交錯!
やむにやまれぬ理由から戦うことになったアルフレッドとニコラス、
世界を隔てながらも絆を育んだ親友ふたりの心が熱く火花を散らします。
幼馴染のクラップをギルガメシュに殺害され、復讐の炎を燃やすアルフレッドは、
秘めた決意を胸に死闘へ臨むニコラスの姿に何を感じるのか……。
ニコラスとの戦いの果てにアルフレッドが見出す復讐の結末を決してお見逃しなきようッ!


難民との悲闘……

ギルガメシュ軍には、アルバトロス・カンパニーをはじめとする難民たちも参戦しています。
身の安全の保障すら得られぬ難民が、どうして危険を顧みずに戦場へ立つのか。
彼らの悲愴な決意が第15回では今までになく強く描かれます。
これを迎え撃つのは、湾岸地帯から熱砂へと赴いた佐志軍!
難民によって結成された部隊と対峙した佐志軍は、
彼らの思い、苦しみ、嘆きを受け止めながらも戦わざるを得なくなってしまいます。
ただ敵に勝てば良いわけではない――今まで描かれることのなかった難しい戦いです。
中でもレイチェルとディアナの一騎打ちは、圧巻の一言。
佐志軍の一角を担うレイチェルは、“難民の戦士”の思いを受け止めつつも刃を振るい、
愛する我が子を守る為に蜂起したディアナと切り結びます。
両者の悲闘は、ふたつのエンディニオンの争乱が抱える問題の縮図とも言えるもの。
サブタイトルにもなっている「復讐と決着のはざま」と言う言葉は、
アルフレッドの心の葛藤に留まらず、両帝会戦全体の根底にあるテーマと言えるのです。

Aのエンディニオン×Bのエンディニオン!

血で血を洗う戦いの果てに何が待ち構えるのか!?

いざ、未曾有の大合戦へ!!




【両帝会戦特集】トップへ戻る