第4話「対決!アルバトロス・カンパニー」を振り返って(激々極々)


連載の順番としましても、実際に執筆したのも、これが私の最初の回。
執筆開始は2008年の1月というわけで、そう考えると「今は昔」の事です。
掲載されるにあたり、当初の書き込みではアップするに堪えない出来でありましたので、大幅な加筆、修正が必要となりました。
なので、一から読み返すことになったのですが、自分で書いたものなのに「こんな感じだったのか」と妙な驚きを感じずにはいられませんでした。

正直な話、天河君からいただいていたプロットをほとんどなぞっただけのものでして、
容量は後々の回と比べると段違い(に少ない)でした。
登場人物(特にフィーナやシェイン)のセリフも、「こいつはこんな喋り方じゃないだろ」と思ってしまうくらい。
まだまだこの頃はキャラクターの性格なんかを把握しきれていなかったのがありありと見受けられたものでした。

前置きはこのくらいにして本編の話をば。

今回の物語の舞台はマコシカという外界から隔絶された特殊な集落。
そんなわけでして、設定としては「自然に囲まれた中にひっそりとたたずんでいる村」というようなものでしたので、
そう言った風景に関しての描写が必要になってくるのです。
はたして今回、激極の記述でそういった光景が上手く読み手に伝わったかどうか、正直自信が無いです。
感受性が鈍いとでも言いますか、センスが乏しいとでも言いますか、激極は景観の描写が苦手です。
だからといって人物の心理描写とか、キャラクターの動きとかが得意かと問われると、
それも否定しなければならなくなってしまうのですが。

ムルグと一緒に射撃の特訓をする時のフィーナとか。
アクションシーン全般の描写に長けている天河君と比較すると、あっさりとしているというか書き込みが足りないというか。
「トロイメライ」ではアクションシーンも大きなウェイトを占めているので、それの記述が作品の質を左右しかねません。
ってなわけですので、この辺りはもう少し、というかもっと慣れていかなければならないと鋭意努力を要します。
当面の課題です。

アル組とサム組が宝珠を探しに入るマコシカの洞窟も、書き手が考えていたような光景を読み手に伝えられることができたのか。
この場で「この洞窟内部はこれこれこんなイメージなんですよ」と書くのはあまりに言い訳がましいのでやめておきます。
まあ、書き手の想像はともかくとして、読み手の方々が「だいたいこんな感じなんだろう」とイメージできるのであれば結果オーライではありますかと。

少しばかり、図書館でアルフレッドと会話した時や、クラーケンとの戦いの時に、ニコラスの片手についての描写がありました。
この回では詳しい所にまでは全く触れられる事はなかったのですが――
この辺は回が進む中で、「こんな事もあったなあ」というくらいに思い出していただければ幸いです。

洞窟一帯にしかけられた罠の数々。
準備の時間はそれほどなかったろうに、あれだけの量を設置できたあたり、ダイナソーは書き手が思うよりも実は優秀な人間なのかもしれません。
あの性格さえ改善できればもっと社会で活躍できるのかもしれませんが、
彼はああいうヘタレなパーソナリティである方がやっぱり似合っているじゃないかと。
というわけで、しばらくは(まっとうな)活躍の機会は彼には無さそうです。
彼の愛すべきヘタレっぷりに、今回のMVPはダイナソーに一票投じようと思います。

アルバトロスカンパニー4人目、トキハの登場。そしていきなり空気化。
これも彼の持ち味です(酷)

はてさて、今回の大ボスであるクラーケンの登場。
「デカければ強いんじゃい」と力技で押し切ることができるのならばよかったのですが、残念ながらそういうわけにもいかず。
何せ、アルフレッドとディアナというエクストリームなマッシブの二人がいるのですから、
彼らに瞬殺されないだけの理由付けがどうしても必要になってしまいます。
じゃあ「硬ければ強いんじゃい」という理屈で押し切りたいところでしたが、
ただ硬いだけではあっさりと攻略の糸口を誰かしらが見つけてしまったでしょう。
ならば「衝撃が吸収できれば強いんじゃい」で押し切ろうかと思いましたが、
「柔らかい=ビーム攻撃に弱い」という謎の方程式が激極の中にはありまして、
そうなるとニコラスのガンドラグーンであっさりと焼かれてしまう事になるのでこの考えも却下。
「二つ合わせれば強いんじゃい」ということで何とかお茶を濁すことができました(できたという事にしてください)。

デカい上にこっちの攻撃が効かないっていうのはなかなかピンチな状況ですよね。
ここで思いっきりヘタレるダイナソーが激極は大好きです。

そしてここで突然発動するグラウエンヘルツ。
「とにかく強いじゃい」というクラーケンを尺の都合かという早さで粉砕します。
(実際には尺の都合は関係無いのであしからず)

「味方のピンチ→パワー発動→大逆転勝利」という系の王道パターンではありますが、
こういうお約束だからこそカタルシスが得られるのではないでしょうか。
そしてグラウエンヘルツ状態のアルフレッドの活躍を目にして内心でビビりまくりのダイナソーに愛情を抱かずにはいられません。

和解のシーン。「こんごともよろしく」はもちろん例のアレ。
それにしても空気の読めないトリーシャ。
彼女の性格である「前へ前へ(by明治大学ラグビー部)」の姿勢が書けたような、そうでもないような。

一難去ってまた一難という具合で次回に続きます。

とまあ、こんな感じのトロイメライ初執筆でありました。
右も左も分からない中で長編を書くことが、(激極の経験的に)無謀だったかもしれませんが、
作風みたいなものは感じとってもらえたのではなかろうかと思います。
所々に足らぬやつっぷりが表れているかもしれませんが、激極なりに努力してまいりますので、末永くお付き合いの程をば。

―おわり―



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